結婚式の母親の和装で着るべき着物とは?黒留袖のマナーとコーディネートをプロが解説

結婚式母親和装0

結婚式を控えたお母さまへ―晴れの日に母親が着るのにふさわしい和装とは?

お子さまの結婚式が近づき、何を着るべきか悩んでいませんか? 結婚式はご家族にとって特別な一日。新郎新婦の母親として、どのような装いがふさわしいのかを知ることはとても大切です。

「黒留袖が良いと聞くけれど、本当にそれでいいの?」
「和装を選んだら、髪型やアクセサリーはどうする?」
「レンタルと購入、どちらがベスト?」

そんな疑問や不安を解消し、お母さまとしての品格を大切にしながら結婚式を迎えられるよう、和装の基本マナーからコーディネートのポイントまで詳しくご紹介します。

この特別な日の装いを、一緒に考えていきましょう。

目次

【和装】結婚式で母親が着るべき着物とは?

結婚式において新郎新婦の母親が着用する着物は、日本の伝統的な格式を保つために重要な要素の一つです。

【和装】結婚式で母親は何を着るべき?着物の名前と色は?

結婚式母親和装1

結婚式において母親が着るべき着物は「黒留袖(くろとめそで)」です。

黒留袖は既婚女性の第一礼装とされ、最も格式が高い着物です。地色(着物の生地の色)は黒色で、柄は裾部分にのみ描かれます。白抜きの家紋が背中と袖に5つ入るのが特徴です。

一般的に新郎新婦の母親は黒留袖を着用し、親族の女性は色留袖を選ぶことが多いです。色留袖は黒以外の地色の留袖で格式は高いものの、黒留袖よりはやや控えめな印象を与えます。

結婚式で母親が和装をするのはなぜ?

結婚式で母親が和装をする理由の一つは、日本の伝統文化を重んじるためです。

和装である着物は、日本人の伝統的な民族衣装です。人生の節目に民族衣装を着用することは、国を問わず大切にされている慣習です。結婚式で和装の最高格である黒留袖を着ることで、新郎新婦の母親としての威厳や格式を示すとともに、招待客へ感謝や礼節を表すことにつながります。

さらに、結婚式での和装姿は式全体の品格を高めてくれます。着物姿の参列者が多い結婚式はフォーマルな印象が強まり、格調高い雰囲気に。結婚式は写真撮影の機会も多いので、格のある良い式として家族の思い出にも残ることでしょう。中でも和婚スタイルの挙式では母親の和装が好まれる傾向にあります。

結婚式で母親の服装マナー|両家のバランスを考える

結婚式母親和装2

結婚式において母親の服装は、両家のバランスを考慮することが重要です。新郎新婦の母親は列席者とは異なり、ホストの立場にあります。したがって、その装いが式全体の調和を崩さないように、両家で衣装の格が統一されることが求められます。

事前に打ち合わせを行い、両家の意見を取り入れることで、より良い式の進行が期待でき、後の思い出もより良いものとなるでしょう。

結婚式で両家の母親の服装はバラバラでもいい?

結婚式では、基本的には両家の母親の服装は統一感を持たせるのが理想です。

特に、同じ格式の黒留袖を着用することで、両家の対等な関係を象徴し、ゲストに対する印象もまとまります。どちらか一方が黒留袖を着用し、もう一方が洋装やほかの種類の着物を着ると、両家の格が合わないように見られる可能性があります。

カジュアルな結婚式などの場合には、色留袖や訪問着、洋装を選ぶことも可能です。その場合も、あくまで全体としての調和を保つために、事前に両家で衣装を確かめ合うことをおすすめします。

結婚式で母親が留袖を着ないのもアリ?

結婚式で母親が留袖を着ない選択もありえますが、その場合は別の格式高い服装を選ぶことが大切です。

特にカジュアルな結婚式や、海外ウェディングでは、母親の服装の選択肢が広がっています。実際に現代の結婚式では、留袖に限らずドレスや色留袖を選ぶ場合も増えています。例えばチャペルウェディングやモダンな挙式では、留袖以外の華やかな色の訪問着やドレスのほうがマッチするケースも。

大切なのは母親の装いが式のスタイルやテーマにマッチしており、新郎新婦との相談の上で全体としてのバランスを崩さないことです。黒留袖以外を選ぶ際は、新郎新婦の意向や両家のバランスを考慮し、フォーマル感を損なわないように注意しましょう。

結婚式の母親の着物はレンタルでもOK?

結婚式で母親が着物をレンタルすることは非常に一般的で、まったく問題ありません

レンタル着物の利点は、豊富な種類の中から選べることや、手入れの手間が省けることです。また、家紋の有無も通紋で対応できるため、自分の家紋がわからない場合でも安心して利用できます。

レンタルならば小物や帯も一式セットになっていることが多く、準備の手間が省けます。自分の年齢に合った好みの雰囲気で、なおかつ格の高い柄の黒留袖をレンタルしましょう。

【結婚式】母親の和装コーディネートのポイント|アクセサリーのマナー

黒留袖のような格式のある着物にアクセサリーを合わせる場合は、マナーを守ることが大切です。

結婚式での和装にふさわしいアクセサリー選びのポイントと、避けるべきアイテムについて解説します。

【結婚式】母親の和装に似合うアクセサリーは?

黒留袖に合わせてもOKなアクセサリーは以下の通りです。

【黒留袖におすすめのアクセサリー】

  • ピアスまたはイヤリング
  • 指輪
  • 髪飾り(かんざし・コーム)
  • 帯留め
  • 腕時計

ピアスまたはイヤリング

和装ではアップヘアやまとめ髪をすることが多いので、ピアスやイヤリングで耳元に輝きを添えるのはおすすめの選択肢です。ピアスは一粒ダイヤやパールなど、上品な印象のデザインを選びましょう。

▼黒留袖におすすめのピアス・イヤリングはこちら





指輪

指輪は結婚指輪をはじめ、さまざまなデザインが合わせやすいです。ダイヤモンドや誕生石などの天然石でも、カジュアル過ぎないデザインであれば幅広く装着OK。ただし、石留めの爪やモチーフが鋭くとがったデザインは、着物の生地に引っかかる危険があるので避けた方が無難です。

▼黒留袖におすすめの指輪はこちら



髪飾り(かんざし・コーム)

和装のアップヘアに合わせた髪飾りもヘアアクセサリーとして一般的です。年齢に合わせて上品かつ控えめなデザインを選びましょう。

▼黒留袖におすすめの髪飾りはこちら




帯留め

黒留袖の時は、白の三部紐に帯留めを合わせるのもOKです。珊瑚やパールのデザインなどは、格調高い中にもコーディネートに華やかさを添えてくれます。

▼黒留袖におすすめの帯留はこちら



▼黒留袖に帯留めを合わせる際の三部紐(白)はこちら


腕時計・懐中時計

フォーマルなデザインであれば、黒留袖に合わせてもOKです。和装にはシックな革ベルトのもの、ジュエリータイプの腕時計が似合います。実用面で時計を持ちたい場合は、懐中時計を帯のなかに忍ばせるのもおすすめ。

▼黒留袖におすすめの懐中時計はこちら


結婚式の和装にNGなアクセサリーはある?

黒留袖をはじめ和装には、以下のアクセサリーは避けたほうがよいでしょう。

【黒留袖にNGのアクセサリー】

  • ネックレス
  • ブレスレット
  • カジュアルなデザインのアクセサリー全般

ネックレスやブレスレットは、黒留袖に限らず和装にはおすすめしません。無理につけると生地を傷める可能性があるため、思い出の品として持ち歩きたい場合はケースに入れてバッグに忍ばせておきましょう。

ほかにも、カジュアルすぎるデザインのアクセサリーは黒留袖の格が損なわれる危険があります。キャラクターモチーフのアクセサリーや、チープすぎる素材のものは避け、新郎新婦の母親らしく格調高く上品なアクセサリーを身につけたいものです。

【結婚式】母親の和装に合う髪型|ショートヘアでもOK?

黒留袖3

結婚式で母親が和装をするときの髪型も気になる方の多いポイントです。

和装に合う髪型の選び方や、ショートヘアでのアレンジ方法について紹介します。

結婚式で母親が黒留袖を着るときの髪型の基本マナー

黒留袖に合わせる髪型は、上品で清潔感のあるアップスタイルが基本です。

ショートヘア以上の長さの場合は、シニヨンやまとめ髪できちんとまとめることで落ち着いた品格を演出できます。毛先を散らしたりルーズすぎる髪型はカジュアルな印象が強まるので、できるだけきっちりとまとめた髪型が黒留袖にはふさわしいでしょう。

髪飾りはつけてもつけなくてもOK。好みや似合う雰囲気に合わせて選びましょう。

結婚式で母親が和装するときの髪型|ショートヘアでもOK?

黒留袖にショートヘアで結婚式にのぞんでもまったく問題ありません

和装に合わせるショートヘアのポイントは、ショートヘアでもきちんとセットすること。たとえばサイドをスッキリとまとめてトップにボリュームを持たせることで、きちんと感を演出できます。前髪にもふんわりとボリュームを持たせれば、晴れの日にふさわしい華やかさを演出できます。ワックスやスプレーなどのスタイリング剤でセットをキープするのも大切です。

必要なら、小さめのかんざしや控えめな髪飾りを添えるのもよいでしょう。重要なのは、髪型全体が黒留袖と調和するよう清潔感を保つことです。

まとめ|結婚式で母親が和装をするための最終チェック

黒留袖000

結婚式で母親が和装を選ぶ際には、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 黒留袖は既婚女性の第一礼装であり、格式の高い装い
  • 両家の母親の服装のバランスを考え、統一感を持たせる
  • レンタルの場合は年齢や似合う雰囲気に応じて格の高い柄選びを
  • ショートヘアでもきちんとセットし、フォーマルな印象を持たせる

和装は日本の伝統文化を反映した格式のある装いです。母親としての品格を大切にしながら、結婚式という特別な日を迎えましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

長年の呉服店勤務経験を活かし、現在は着物アドバイザーとしてライター業を中心に活躍中。着物や振袖を楽しむためのお役立ち情報を発信している。5才男児の母親。

目次