黒留袖で「格の高い柄」はどんな柄?結婚式にふさわしい柄とおすすめの黒留袖を着物のプロが紹介!

黒留袖を選ぶとき、どんな柄を選ぶかでお悩みの方は多いです。とくに結婚式で着る黒留袖であれば、お祝いの席にふさわしい「格の高い柄」を選びたいですよね。

「黒留袖で格の高い柄ってどんな柄?」
「結婚式にふさわしい黒留袖の柄はどれ?」

とお悩みの方に向けて、黒留袖の柄の格の高さについて着物のプロが徹底的に解説します!

娘さんや息子さん、お孫さんの結婚式にぴったりのおめでたい柄や、着物のプロが選ぶおすすめする格の高い黒留袖の柄についても紹介します。実際にレンタル可能な黒留袖を画像とともに紹介しますので、結婚式の黒留袖選びでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

目次

黒留袖の「格の高い柄」はどんな柄?

黒留袖格の高い柄2

「黒留袖の中で格の高い柄ってどんな柄?」と気になっている方は多いことでしょう。黒留袖は結婚式で着る着物なので、お祝いの席にふさわしい「格の高い柄」を選びたいですよね。

そもそも黒留袖に「格の高い柄」「格の低い柄」のちがいはあるのでしょうか?

黒留袖は基本的に「格の高い柄」が描かれている

黒留袖の柄は、基本的にはどの黒留袖も「格の高い柄」が描かれています

ほとんどの黒留袖に格の高い柄が描かれている理由は、黒留袖が既婚女性の「第一礼装」だから。着物のなかでもっとも格式の高い装いなので、柄にも格調高いモチーフが描かれます。

黒留袖の場合は基本的にはどんな柄を選んでも「あの柄は格が低いわね」と思われることはないので安心してください。

現代的なデザインは軽く感じられることもあるので注意が必要

黒留袖は基本的には格の高い柄が中心に描かれますが、古典柄でない現代的なデザインの黒留袖には注意が必要です。

現代では、洋風のモチーフや斬新なデザインを取り入れた黒留袖も作られています。新しさを感じる現代的なデザインは、伝統ある古典柄に比べて軽く見えてしまうことも。

実際に京都の問屋さんにも聞いてみたところ、

・黒留袖は古典の柄であれば「この柄だと格が高い!」ということはない
・現代的なデザインは重厚さよりも軽さを感じる柄も多いので注意が必要

との答えが返ってきました。

だれが見ても「格の高い黒留袖ね」と思われるためには、デザイン性を重視した現代的な格よりも「古典柄の黒留袖」を選ぶのがおすすめです。

黒留袖は「古典柄」のなかから柄の意味をふまえて選ぶのがおすすめ!

黒留袖格の高い柄3

黒留袖の柄を選ぶときは、伝統的な古典柄のなかから柄の意味をふまえて選ぶのがよいでしょう。

日本に古くから伝わる古典柄は、柄におめでたい意味がこめられています。とくに結婚式で着用する黒留袖であれば、新郎新婦の門出を祝う気持ちを着物の柄にこめて、おいわいの席に華をそえることができます。

柄にこもる意味を意識しつつ、自分好みのデザインの黒留袖を選んでみてください。

黒留袖|格の高い柄の種類とこめられる意味

黒留袖格の高い柄4

黒留袖の柄のなかでも格の高い古典柄について、柄の種類とこめられる意味を紹介します。

おめでたい意味をもつ柄

結婚式の席で着る黒留袖にふさわしい「おめでたい意味」をもつ柄は以下の通りです。

代表的な「吉祥文様」

松竹梅、扇、宝尽くし、宝船、雲、鯉、花籠(はなかご)、桐、牡丹、四君子(しくんし) など

松竹梅や扇などは、日本で古くから親しまれるおめでたいモチーフです。宝尽くしや宝船なども新しい門出を祝う意味がこめられています。

「夫婦円満」の意味をもつ柄

鴛鴦(おしどり)、鶴、貝桶(かいおけ)、七宝 など

夫婦2羽で描かれる鴛鴦など、ふたつで一組となるモチーフが代表的。生涯同じ伴侶と過ごす鶴や、同じ貝を見つける平安貴族の遊び・貝合わせの貝を入れる貝桶も夫婦円満を象徴する柄です。

「子孫繁栄」の意味をもつ柄

橘、葡萄、瓜、ざくろ など

橘=みかんや葡萄など、実をつける植物は子孫繁栄の象徴とされています。

「不老長寿」の意味をもつ柄

鶴、亀、亀甲、熨斗(のし)、藤、菊、獅子、龍、鹿 など

長寿の代表的なモチーフである鶴亀、藤は「不死」で不老長寿を意味します。

「無病息災・厄除け」の意味をもつ柄

ひょうたん、柳、菖蒲、鈴、麻の葉 など

ひょうたんは6つのひょうたんで「無病」、薬効成分のある菖蒲も無病息災を象徴するモチーフです。鈴の音には魔よけ・浄化の意味がこめられ、古くから厄除けに使用されています。

「豊穣」の意味をもつ柄

稲、雀、雪輪 など

稲穂や米を食べる雀、雪がよく降った年は春に豊作が見込まれることから雪輪も豊穣のモチーフです。

文様の分類別にみる「格の高い柄」

その他、日本に古くから伝わる以下の3つの文様も、格の高い柄として有名です。

・正倉院文様(しょうそういんもんよう)・・・奈良時代に東大寺に献納された聖武天皇ゆかりの品を保存した宝庫・正倉院に保管された宝物を文様化したもの。

・有職文様(ゆうそくもんよう)・・・平安時代に貴族の服装や装飾品に用いられた文様。

・名物裂文様(めいぶつぎれもんよう)・・・鎌倉時代~江戸時代初期に中国経由で日本にもたらされた、インドの更紗や東南アジアの染物品に影響を受けた文様。

正倉院文様(しょうそういんもんよう)

宝相華(ほうそうげ)、花喰鳥(はなくいどり)、蜀江(しょっこう)、唐花、楽器 など

正倉院文様は西アジア、中国からもたらされたものが多く、格調高いなかに異国情緒を感じるデザインが特徴です。宝相華や唐華など、エキゾチックで洗練された柄が多くあります。

有職文様(ゆうそくもんよう)

立涌(たてわく)、七宝、菱紋、向かい鶴、松喰い鶴 など

有職文様は平安時代の十二単などの装束や調度品の装飾に用いられた優美な織り文様で、おめでたい雅な柄が多く見られます。七宝や立涌などは着物の柄だけでなく帯に使用されることも多いモチーフです。

名物裂文様(めいぶつぎれもんよう)

有栖川(ありすがわ)、荒磯(あらいそ)、鶏頭(けいとう)、花兎(はなうさぎ) など

茶道の袱紗(ふくさ)や掛け軸の表装に使用されることの多い名物裂文様は、格式のある文様です。有栖川や花兎は、帯の柄に多く見られるモチーフでもあります。

着物のプロが選ぶ!格の高い柄の黒留袖TOP3

着物のプロが選ぶ「格の高い柄の黒留袖」ランキングTOP3を紹介します。

ぜひ黒留袖の柄を選ぶときの参考にしてみてください。

3位:松竹梅に貝桶

「格の高い柄の黒留袖」のおすすめ第3位は、松竹梅に貝桶の柄が優雅な黒留袖です。

吉祥文様の代表・松竹梅は結婚式にふさわしいおめでたいモチーフ。松は「長寿」、竹は「繁栄」、梅は「忍耐強さ」を象徴します。花柄の六角形の箱は貝桶で、夫婦円満を意味するモチーフです。
縁起のよい意匠を派手過ぎず落ち着いた雰囲気で描いた、上品で格調高いデザインの黒留袖です。

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2位:菊花と有職文様

「格の高い柄の黒留袖」のおすすめ第2位は、菊の花に有職文様のシャープなデザインの黒留袖です。

菊の花を大胆に意匠化した柄は羽ばたく鶴にも見えます。八藤丸(やとうまる)をはじめとした有職文様の丸紋が黒留袖の品格を高めます。柄の色数をおさえて金駒刺繍と焼き箔ですっきりとした印象に。
シックに、クールな雰囲気で黒留袖を装いたい方におすすめです。

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1位:正倉院文様の宝相華

「格の高い柄の黒留袖」のおすすめ第1位は、正倉院文様の宝相華や唐花が格調高く描かれた黒留袖です。

シルクロードを渡るエキゾチックな印象の正倉院文様は、品格と洗練された印象を兼ね備えたモチーフ。結婚式にふさわしい格式高い華やかさがあります。正倉院文様は古典柄でも現代にまで通じる美しさがあり、だれからも一目置かれる黒留袖姿が完成します。
センスが光る洗練された柄の黒留袖をお探しの方には、正倉院文様の黒留袖がとくにおすすめです。

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さいごに

女性の第一礼装である黒留袖は、基本的には格の高い柄が描かれています。斬新な現代柄など珍しい柄を選ばない限りは格の低い柄を選んでしまう心配はないでしょう。なかでも日本で昔から愛される「古典柄」の黒留袖は、おめでたい意味や幸せな前途を願う意味がこめられています。結婚式で着用する黒留袖は、新郎新婦への祝意や健やかな未来を祈る気持ちを柄で表すのも素敵です。

ぜひ記事で紹介した柄の種類と意味を参考に、お祝いの席にふさわしい柄の黒留袖を選んでみてください。

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